定年で退職した場合、後で「こうしておけば良かった」などと後悔する事が必ずと言って良いほど出てきます。
これから説明する事も退職の時に後悔する一つかもしれません。
定年退職後に何かしらの再就職を希望する人は8割をしめており、その中で直ぐに就職先が見つかる人はほんの一握りしかいません。
殆どの人は再就職先が直ぐに決まらず、収入は年金だけが頼りになってしまいます。
日本には、失業保険制度があります。
これから話す事は、「これからも再就職して働こう!」という人に退職後、再就職するまでに賢い失業手当を受け取る方法を説明しています。
高年齢求職者給付金とは
ハッキリ言って、失業手当です。
定年により、一旦、会社を辞めて再就職する場合、すぐに次の働き先が見つかる訳ではありません。
また、今まで一生懸命働いてきたのだから、ここで一休みしてから次の就職先を探してみようなどと思っている人も少なくありません。
日本には、失業保険制度があり、定年退職でもこの制度は関係してきます。
一般的に「失業保険」「失業手当」と呼ぶものは、雇用保険制度の失業給付金というものです。
失業給付金
雇用保険の給付の一つで、基本手当ともいわれます。雇用保険の被保険者が失業したときに再就職を前提として生活費の保障を一定期間行います。給付は日額単位で支給され、年齢や離職前の給与の額に応じています。
その、失業給付金は退職した年齢によって呼び名が変わります。
それは、65歳がネックとなり、65歳以上の失業給付金は高年齢求職者給付金といいます。
名前が変わるだけで無く、受け取れる金額(日数)も変わってくるので注意が必要です。
失業給付金と高年齢求職者給付金では金額はどのくらい違うのか
雇用保険に20年以上加入している64歳までの人が退職時にもらえる失業給付は基本手当の150日分が支給されます。
それに対し、65歳になってから会社を辞めると高年齢求職者給付金となり、最長で基本手当の50日分になり、一括支給となります。
基本手当日額とは
雇用保険で受給できる1日あたりの金額です。賃金日額(離職前半年間に支払われた賃金総額を180で割った金額)の45~80%相当で、賃金の低い方ほど高い率となります。
早く言うと、退職日が誕生日前か、誕生日後かによって失業給付が基本手当か高年齢求職者給付金になり、給付を受けれる日数が大きく変わってしまうのです。
もし、基本手当日額が5.000円だとしたら、単純に計算すると、
基本手当 5.000円×150日=750.000円
高年齢求職者給付金 5.000円×50日=250.000円
なんと!その差額500.000円と大きく差が出ます。
。
裏ワザは無いのか
ズバリ、早く就職先を見つける事です。笑
失業保険が基本手当になるのか、高年齢求職者給付金になるかは退職日で決まります。
退職日が65歳未満、正確には65歳の誕生日の前々日までであれば、給付を受ける時に65歳になっていたとしても、失業の状態である等要件を満たせば「基本手当」を受け取ることができます。
65歳以降に受け取る年金(老齢厚生年金)は基本手当との調整が無いので、基本手当と年金を両方受け取ることが可能となります。
離職日以前の2年間に保険料を支払っていた期間が最低12カ月以上あること、再就職する気持ちがあり、就職活動がなされている
要するに、65歳直前に退職し、失業保険を受け取る時点で65歳になっていても、年金も同時に受け取れるということになります。
雇用保険法では、『誕生日の前日に満年齢に達する』というのが基本的な考えです。
注意することは
ただ、65歳定年制の会社の場合、65歳の定年直前に辞めたばっかりに、定年退職で受け取れる退職金を受け取れなかった、あるいは減額された、なども考えられます。
また、会社の就業規則で定年退職日が65歳の誕生日と定められている場合は、自己の都合で退職日を早めると自己都合による退職となり、失業給付は3ヵ月間受け取れません。会社の退職金制度を前もってよく確認する必要があります。
これにより、自分にとって不利益が発生する可能性があることを忘れてはいけません。
まとめ
この様に、定年退職とは人生にとって大きな節目となります。
また、この時期に今まで会社に任せでいた事も、定年退職を境に自分で行う事も増えてきます。
その為には、自分で考えてアクションを起さなければ後で後悔することにもなりかねません。
今回は、65歳を境に定年退職から次の就職先が見つかるまでのチョトした裏ワザ的な方法を説明してみました。
この方法を使う場合は、会社を直前で辞めるデメリットもしっかりと検討した上で決断する必要があります。
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