高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違いが原因で悲惨な事故が全国で起きています。
2019年4月に東京都の池袋で起きた87歳の高齢者が運転するハイブリット乗用車が150メートル暴走し、歩行者等を次々と跳ね飛ばし、自転車の親子が亡くなるという事故が発生したのは記憶に新しい出来事です。
この事故から高齢者が運転する車の暴走事故がニュースで相次ぎと流れております。
事故を起こした当事者は『ブレーキを踏んだが車が止まらなかった。』などの証言が多く、しかし、ブレーキを踏んでいれば路面にブレーキ痕が着く訳であり、余程のブレーキの故障でも無ければ有り得無い話です。
なぜ、ペダルを踏み間違えるのか?
今や、オートマ車が殆どでペダルはブレーキとアクセルの二つのペダルしか有りません。
並びは進行方向に向かって左側がブレーキ、右側がアクセルと云う事は誰でも知っていると思いますが、アクセルペダルのほうが奥の方に有り、ブレーキペダルの方が手前側に有ります。要するに二つのペダルは高さが異なっており、高齢者になってくると足首の筋力が衰え、とっさの時に足がアクセルペダルからブレーペダルに移らない、又はブレーキペダルに踏み変えたつもりだった等の現象が起こる様です。
ペダルを間違える原因
なぜ、このペダルを踏み間違えてしまうのか?
そもそも、このペダルは踏み方が基本的に違います。アクセルペダルはじんわりと比較的ゆっくりと踏み、ブレーキペダルは状況に応じて強めに踏むとものと云う観念が有ります。
したがって、何かの拍子でパニック等の時、(池袋の事故では縁石に車体が接触した)に本人はブレーキを踏んでいる錯覚に陥り、車を止めようと間違っているペダルを踏む訳ですからさらに車は加速し、暴走するのです。
この様に、右側の脚が二つのペダルを操作する構造が原因ではないでしょうか。
アクセル踏み間違い防止装置
以上の様な事から各メーカーや自動車部品関係社では対策部品を早急に開発し出した。
有名ところではオートバックスが販売している『ペダルの見張り番』と云う装置で価格は30.000円(取付け料別)ほどで今や品薄状態の様です。
こういった装置は後着けが可能で有り、取り付けるにあたり補助金が受けられる仕組みになっております。
しかし、こういった装置はペダルを踏み間違えた時、センサーが働き、燃料を送らない様な構造が多く、直接ブレーキが掛かる仕組みのほうが私は望ましいと思います。
そこで埼玉新聞から新たなニュースを観ました。地元、埼玉県 川口市の南器工業㈱から『STOPペダル』と云う後着け装置を開発したそうです。
STOPペダルとは?
まず、南器工業㈱とは埼玉県川口市にある機械整備業を営む資本金1000万円の町工場です。
社長の南平次 社長(79)が2010年ころから開発を始めたそうです。
当時も踏み間違いによる事故が多く、何か良い対策が出来ないかと云う事から考え始め、2013年に国内特許を取得しました。開発当初はあまり需要が無かったものの、池袋の事故から問い合わせが殺到しているそうです。
この装置は後着けが可能で、従来の車両のアクセルぺダルを外し、ブレーキペダルのアーム部分に取り替えて装着するそうです。
緊急時ペダルを間違えて強く踏み込むとロックが外れて警告音が鳴り、ブレーキが掛かる仕組みとなっております。
坂道や高速道の合流などの通常のアクセル操作などでは作動しず、もし、ロックが外れて作動してもアクセルを踏み込まなければブレーキが掛からない設計です。また、アクセルを戻せば通常のアクセル操作に戻る仕組みになっているそうです。
最後に
高齢者だからペダルの踏み間違えが有ると思いきや、若い人でも踏み間違いは発生していると云う結果が出ており、人はパニックになるとそれを解除しようと更にパニックを重ねてしまう傾向が有ります。
この装置は器具が90.000円(取付け料別)ほどします。けっして安い物では有りません、私は未だ高齢者の部類ではないですが何時起きるかを考えた時の事を思えば運転する者の義務かも知れません。
自動車メーカーもこれから販売する全自動車に標準安全装置として着けて貰いたいものです。